Sep. 17 2017

Jiro Yoshioka Flute Recital Concerto series

[ Sturm und Drang II ]

2017/09/17

​よみうり大手町ホール

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[音楽の友] 2017年12月号

 『シュトゥルム・ウント・ドランクII』と題された、フルートの吉岡の『リサイタル/協奏曲シリーズ』。18世紀後半のドイツ文学界で起きた革新的運動が副題とされているが、よく見る邦訳の「疾風怒濤」では真意が浅いかなと堂々思っていたところ、吉岡は「これぞシュトゥルム~」という方向を示した。大バッハの長男W.F.バッハ「アダージョとフーガ」はアール・デコの趣。次男C.P.E.バッハ「フルート協奏曲 ニ短調」ではロマン派の曙。先代(大バッハ)からの形式・様式の、踏襲と破壊と再構築を内から創るエネルギー。それを吉岡は自然体で奏す。時代は飛んで尹伊桑「フルート協奏曲」。和モダンの建造物、はたまた勅使河原宏の映画のような、静かなアヴァンギャルドの求心力。その凄味がヴァイン「フルート協奏曲<笛は夢見る>」。続けて演奏される全3楽章の緩急は鋭く、技巧の限りを尽くされ心象がえぐり出される。第2楽章はドローンの空撮のような広さと色彩感。そのハイレヴェルなアンサンブルを作った特別編成室内オーケストラ(指揮・大井剛史)も特筆ものだった。(9月17日、よみうり大手町ホール) <上田弘子>

 

 

[音楽現代] 2017年12月号

 タイトルの「疾風怒濤」に違わぬ、協奏曲による演奏会。吉岡は武蔵野音大卒業後、スイスなどに学び、帰国後は神奈川フィルの契約首席奏者も務めた。前半は大人しく、大バッハの2人の息子たちの作品、W.F.バッハ「アダージョとフーガ」と、C.P.E.バッハ「フルート協奏曲 ニ短調」を端正に。後半は、この日がちょうど生誕百年に当たる尹伊桑の「フルート協奏曲」から。朝鮮半島の伝統音楽には、時に驚くべき強靭な持続が潜むが、これが1980年前後の尹の作品にも息づいている。木管楽器が不協和に重なり形成する音のカーテンを、切り裂くかのようにフルートが響き、テンション高く闖入する打楽器が時を分節する。締めのC.ヴァイン「フルート協奏曲<笛は夢見る>」は、ポップだがリズムが相当込み入った難物。これを見事に吹きこなした上での、弦楽の総奏を圧倒する吉岡の音量に驚かされた。後半から指揮を務めた大井剛史も、特別編成のオケをよく統率した。(9月17日、よみうり大手町ホール) <石塚潤一>

Sat. 10 2015

Jiro Yoshioka Flute Recital

2015/10/10

東京オペラシティ

リサイタルホール

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[音楽現代] 

 現代性を発揮したフルート表現のできる奏者だ。冒頭ではバッハと同時代のボワモルティエを並べて、ドイツとフランスを対比する。しかも後者の無伴奏曲ではトラヴェルソを用い、ファンタジーとジークの妙技に味わいを作る多彩ぶり。

 そこから電光石火、時代は20世紀に。ブーレーズに始まりバートン、ジョリヴェ、最後にピアソラ。ことに後半、バートンのフルートとピアノのためのソナチネでガラリと表現力を増す。吉岡の高音域の美しさと、音階を急速に駆け上る華麗な奏法、アンダンテにおける技巧性、終曲では長尾洋史のピアノと丁々発止の掛け合いが聴き手をつかむ。ジョリヴェのソナタは、艶やかな音に巧みな音の揺らぎや、妖術の雰囲気を醸し、さらに狂気の世界に没入した展開は圧巻。圧倒的な表現力である。そしてピアソラ「ル・グラン・タンゴ」はチェロが原曲。ゆったりとした音の世界と、強烈にスタッカートを利かせた息の芸術と長尾の打鍵が絶妙だ。(10月10日、東京オペラシティ・リサイタルホール) <宮沢昭男>

Jiro Yoshioka Flute Recital

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